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私たちの生活の隅々まで行き渡っている各種の光学デバイスは、市場に投入される製品のコモディティ化が進み、メーカーごとの個性を失いつつあります。すなわちミドルレンジやローエンドの製品であれば、ユーザーにとっての選択基準は販売価格の違いしかないのです。コシナが生産する光学デバイスは、これらの範疇に分類されない「ハイエンド製品群」です。妥協のない設計思想と熟達したモノづくりのスキルを結集し、最高の品質で特別な層のお客様に100%の満足を提供すること。それがコシナの経営戦略の核心です。

高精度の光学性能を求められる様々な製品に、コシナのハイエンド光学デバイスが活かされています。原材料の開発、製品の企画・設計から生産まで、最高品質のモノづくりを国内一気通貫で完結。お客様の用途に応じた設計の自由度、ロット数、納期を実現できる設備と技術の蓄積がコシナにはあります。

最高品質の光学デバイス製造に必要不可欠なマテリアル。それが光学ガラスです。コシナのハイエンド製品群を支えるガラス素材の生産をしているのが小布施ファクトリー。光学ガラスの素材づくりから最終製品まで一貫生産が可能なメーカーは世界でわずか3社しかありません。その理由は一定の設備が必要であり、光学ガラスの組成を決定するには特別な技術の蓄積を要するからです。24時間体制で稼働する熔解炉で1300℃前後に熱せられた硝材は厳密なコントロールのもとで極めて設計に忠実な光学特性を有する光学ガラスとなります。小布施ファクトリーで生み出される素材の種類は約50種。使用目的に適した光学特性をもつ数々のマテリアルを生産するだけでなく、同じ光学特性を保ちながら、より環境負荷の低い代替物質を採用。その全種が鉛フリーのエコガラスです。

20世紀の初頭にドイツで確立した、レンズ加工技術。1959年、日本におけるレンズ研磨のパイオニアとしてコシナの事業はスタートしました。創業当時から高い評価を得ている、熟練者の手により世に送り出されてきた精度の高い国産レンズ。自動研磨システムに置き換わった現在も、その伝統を受け継いでいるのが飯山ファクトリーです。レンズ研磨の工程は、設備投資さえすれば完了する装置産業ではなく、作業者の能力が問われる現場です。光学機器の高精細化に対応する新種の光学ガラスの扱いはデリケートなもの。硝材の硬度や組成を見極め、適切なパッドや研磨剤を選択すること。球面精度を保つだけでなく、美しい外観のレンズに磨き上げること。サブミクロンオーダーで検品される究極の加工精度は、「現代の匠」と呼ぶべき熟練した技術者集団により支えられているのです。

プリズムやミラーおよびレンズのマルチコーティング加工は、進化しつづける映像機器に必要不可欠な技術であり近年コシナが最も力を注いできた分野です。高解像度の液晶プロジェクターや3CCD方式のビデオカメラに使用されるコアデバイスとして、映像機器メーカーから絶大な信頼を得ているダイクロイックミラー・プリズムを始めとする超高精度な光学部品の数々。その生産拠点が七瀬ファクトリーです。コーティング設計から評価測定、真空蒸着装置のソフト改善など多くのプロセスを一貫して手がけ、他社に真似できない生産技術力を有します。レンズコーティングの分野に関しても独自のノウハウを蓄積。カール ツァイス社へ提供するレンズは、全て[T*コーティング]の認証試験に合格しています。七瀬ファクトリーではMTF測定も実施し、万全の品質管理で臨んでいます。

レンズと共に、ハイエンド光学デバイスを製作するのに欠かせない要素、それが機構部品です。コシナでは一本のネジから複雑な形状のカム筒まで、あらゆる部品を厳しい基準で製造しています。一品一仕様の特殊機器であっても、ロット数の多い量産品であっても共通項は高精度であること。機構部品の内製化は、社内外の需要にフレキシブルな対応が可能であるだけでなく、高品位な製品を提供するために重要な役割を果たしています。厳密な品質管理による機構部品の生産だけでなく、彫刻・シルク印刷やメッキなど製品の完成に必要な全ての技術と装置を完備。メッキ工程では最新設備を導入し、環境への配慮にも積極的に取り組んでいます。光学ガラスから一貫生産された高精度レンズは中野ファクトリーに集結して機構部品と組み上げられ、ハイエンド光学デバイスが完成するのです。