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 上の写真は、レンズ表面を磨き上げるために使われる研磨皿です。仕上がりサイズや曲率に応じて、多種多様な研磨皿が用意されています。ダイヤモンドペレットによる研磨の第一段階(017参照)が完了したレンズは、これらの研磨皿を用いて設計により定められた曲率半径で、光学的に充分な精度までポリッシングされていきます。そして更に最終仕上げとして、ガラス表面の微細なキズや荒れを完全に除去します。この工程では、さまざまな種類の研磨パッドが用いられています。磨かれるガラスの種類や、ポリッシングに使う研磨材の粒度や特性に応じて最適な研磨パッドが選定され、研磨皿に貼付けられるのです。

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 研磨皿は、凹形にせよ凸形にせよ、特定の半径をもつ球体の一部です。そこにいくつかの厚さを持ったウレタンやスウェード状のパッドを手仕事で貼っていきます。凸形の研磨皿であれば、地球儀に世界地図を貼付けていくようなイメージです。地球儀に貼る地図の場合は微妙に重ね合わせていきますが、研磨パッドの貼付けに関しては重ね貼りは禁止事項です。研磨皿の面から均一な厚さでパッドが貼られていない限り、精度の高いポリッシングをすることは不可能だからです。重なり合わないように、ほんの少しだけ溝ができるようにします。この溝の間隔も、均等になるよう精密に作業が進められていきます。

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 花弁型に切り抜かれた研磨パッド。よく観察してみれば、貼付けたときの溝の幅が均一になるよう、外周に近づくほど幅広くなっています。研磨パッドの作成は、昔ながらの一流テーラーが生地を見立て、裁断するような要領で行われています。ガイドになる型紙などは一切存在しません。ここで活躍する道具は、曲線を切るのに適した“反り刃のはさみ”です。さまざまな大きさや形状をもつ研磨皿には、それぞれに最適とされるパッドのパターンがあります。現場担当者の豊富な経験と知恵により、研磨パッドはフリーハンドで精密に美しく切り抜かれ、研磨皿へ精密に美しく貼付けられます。このような準備段階を経て磨き上げられたレンズは、抜群の面精度と外観の美しさの両方を得ることになるのです。

 

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