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 上の写真は、実物のハイエンド交換レンズをふたつに切断することで内部構造を観察することを可能にした“カットモデル”です。レンズ枠やヘリコイドなどの構造体が複雑に組み合わさり、中心部分には何枚ものレンズが組み込まれている様子が見えています。交換レンズのカタログなどに記載されている○群○枚という表記も、カットモデルなら一目瞭然です。この交換レンズは4つのエレメントで構成され、いちばん後ろのレンズは3枚が貼り合わされているので4群6枚となります。ここで各レンズの端面に注目してみると、その形状に違いのあることが判ります。1枚目と2枚目はシンプルに裁ち落としたような端面ですが、3枚目は斜めにカットされ、最後の4群目は非常に複雑な形状になっています。

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 このようにレンズ端面をさまざまな形状に加工するには、それぞれに固有の理由があります。その例としては、@光軸と水平に削っただけでは絞り羽根などの機構部品と干渉してしまうために、厚みをなくすべく斜めにカットする。A凸形に削った部分を活用して、レンズそのものをレンズ枠の一部として機能するような方式で合理的にアセンブルする。B端面にV字のカットを入れることで絞りの効果を生み出し、不要な光線を遮断して光学性能をアップさせる。このように多種多様な目的に応じてレンズ端面はカットされますが、いずれも高精度の加工が必要であり、そこには熟練の技が求められます。

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 これらの複雑な形状を作り出すのに用いられているのが、ダイヤモンドホイールと呼ばれる特注品のグラインダーです。ダイヤモンドホイールとレンズは、いわばネガとポジのような関係になっており、レンズ端面の凹凸を正反対にした断面をダイヤモンドホイールは持っています。精密な研削によって、それぞれのレンズに割り当てられた形状が正確に移し替えられていくのです。固有の形状を持つ特注品のダイヤモンドホイールの製作にはコストがかかり、取り扱いや管理にも神経を使います。コシナが所有しているダイヤモンドホイールは約4000種。この数値は“こだわり”の数であり、ハイエンドを徹底的に追求する姿勢を指し示す、ひとつの証拠であると私たちは確信しています。

 

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