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 古代の祭事に使われた神器のようでもあり、SF映画の小道具のようにも見える不可思議な迫力を放つ物体。上の写真は、光学ガラス素材を熱して軟らかくしたものを受けとめてプレスする工程に使われる特殊な道具です。032(摂氏700度のプレス成形)のメインビジュアルとして登場した機器にこの道具をセットし、光学ガラス素材をプレスするのです。プレスされる上下の面には設計仕様どおりの曲率をもつ凹面もしくは凸面があり、その形が光学ガラス素材に転写されます。プレス受け型は熱せられた光学ガラス素材と同等の温度を保っておく必要があるので、この道具にはバーナー機能が組み込まれています。

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 上下のプレス型と、それを保持するスリーブはレンズ原形の仕様にあわせて小布施ファクトリー内で製作しています。マスター帳にレンズ原形の直径、曲率および厚さに対応して登録された種類はおよそ2万種。1年間で使用されるレンズ金型の種類はおよそ5千種に及びます。プレス用パーツのひとつひとつは、求められる仕様に対応するサイズの鋼材から切り出され、旋盤加工により作られています。これらの金型は使用後もメンテナンスしてから最低でも5年間は大切に保管され、次の出番を待っています。

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 この金型を鏡面加工してしまえば、その後の切削や研磨という工程は不要になるのではないか? 21世紀に入り、光学ガラス素材を鏡面プレス加工してダイレクトにレンズを製造する方法が多く採用されてきています。ただし、この方法で作ることのできるレンズは融点が低い限られた光学ガラス素材しか使えないという制約があるのです。私たちコシナが目指すハイエンド光学製品とは、現在入手可能な200種に及ぶ光学ガラス素材の個性を自在に組み合わせることで最高の性能を実現することであり、それゆえ高温でプレスし、切削と研磨を経てレンズとなる手数のかかるプロセスをあえて選択しているのです。

 

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