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 光学ガラスの種類それぞれに固有の屈折率に合わせるべく、アニール工程は厳密な温度管理のもとで行われます。上の写真は、プレスされたレンズ原形をアニール炉の中へと専用のローダーを用いて装填している場面です。同一のアニール炉の中に入れるのは同種の硝材であることはもちろん、光学ガラス素材を製造するときに原材料を熔解したポットナンバーも同一であることが条件です。このようにして完全に同窓かつ同期であることがトレースできる状態でグループ分けされたレンズ原形たちは、それぞれの素性にあわせたアニールスケジュールにより、正しい屈折率に導かれていくのです。

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 光学ガラスを構成する分子が活性化する温度である転移点まではおよそ6〜8時間で加熱させ、その温度に達してから数時間キープします。そこから、どのような降下スピードをもって炉内の温度をコントロールするかが、アニールスケジュールにおける最も重要なポイントとなります。基本的には短い時間で温度を降下させるほど光学ガラスの屈折率は下がる傾向がありますが、この条件は計算によって求められる基本パラメーターに加えて硝材のロットによるクセはもちろんのこと、熱衝撃性などの条件も勘案する必要があり、光学ガラスを知り抜いた人間による微妙なコントロールが必須となります。

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 こうして熱く、長い眠りから目覚めたレンズ原形たちは、一般的な光学ガラス素材に定められた公差よりも厳密な範囲で正確な屈折率を得るのです。アニールの工程は設定したスケジュールにより期間が異なりますが、炉に入ってから余熱を冷まして外気に触れることが許されるまで、4日から9日が費やされます。生産性だけを目的とするなら転移点の低い光学ガラスだけを使い、屈折率に関してもそれほど厳密に追求しなければ数多くのアニール炉も、アニールに費やす日程も省略できるでしょう。しかし、そのような姿勢は私たちコシナの目指す、お客さまに120%の満足を提供する製品づくりと相容れないのです。あくまで丁寧に、時間や手間を惜しまずに、私たちのミッションは進行していくのです。

 

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