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 実験により生み出された新種の光学ガラスは、どのような特性を持つのか精密に測定されます。上の写真は、ガラスに外力が加わった場合に光が複数の屈折を起こしてしまう度合いを示す光弾性を計測している様子です。光学デバイスはレンズ単体で機能することはなく、必ず金属枠などにセットされています。そこから熱などの外力が加わることで、一時的に大きな複屈折を生じるガラスがあります。このような光弾性の大きな光学ガラスでは用途が限られてしまいます。鉛を使用する光学ガラスは光弾性が小さいという特性を持っていましたが、代替材料である酸化チタンなどを用いると、この数値が大きくなる。そこで、環境保全と性能を両立させるべく光弾性の小さい光学ガラスの開発に取り組んでいるのです。

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 新たに開発された光学ガラスは光弾性だけでなく、さまざまな切り口で計測して実験結果の検証を進めていきます。ハイエンド光学デバイスへの応用という観点から、実験室レベルではなく生産の現場において量産が現実的かどうかも重要なポイントとなります。このことから、生成の過程で熔解状態にあるガラス原料から不透明な物質が出現してしまう“失透”の起きやすさとその温度領域を調べることや、プレス成形における温度設定の重要な鍵となるガラス転移点(TG)なども測定されます。

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 環境負荷の少ない酸化チタンを用いた光学ガラスは、鉛を用いた場合に近い高屈折率が得られます。その一方で光弾性が大きく、黄色く着色しやすいという欠点もあります。この課題を克服すべく、コシナでは産学官の連係活動を開始。経済産業省の主導による平成23年度の戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、鉛フリーの無着色・低光弾性の高屈折率レンズの本格的な開発が進んでいます。また、光学ガラスの精密表面加工など新種ガラスと組み合わせると有効と思われる技術領域への研究にも着手しています。それは遠い道のりですが、ハイエンド光学メーカーの果たすべき責務であると私たちは考えているのです。

 

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