k-01k-02k03k04k05
koda-bun
k-50
 

k050

 うっすらと白く、全体に霜のついたレンズ。いささかショッキングな画像ですが、上の写真は環境試験用の恒温室でマイナス20°Cの環境に一定時間放置した後で一気に常温の環境へ戻したときの様子です。レンズの外装と大気の温度差は40°C以上。むき出しの交換レンズをここまで急激な温度変化に曝すことは常識的にあり得ないことだと思います。それでも私たちは、あえて非常識とも思える条件において製品がどのような振る舞いをするのかを確かめています。もちろん常識的な条件として、大きな温度変化のないマイナス20°C前後の環境でも正常に作動することを確認していますが、それに加えて不測の事態に製品が見舞われたときのことを知っておきたいからです。

050-1p

 おそらく、ここまで結露してしまった交換レンズは、分解清掃を含むオーバーホールが必要になるでしょう。それでも、この瞬間に写真撮影をすることを求めるユーザーの期待に応えることが可能なのか? このような能力は、ロバストネスあるいはロバスト性と呼ばれています。急激な環境の変化や外乱による性能の変化を阻止する仕組みや性質を持っていれば修理が必要になるような状況下でも、撮影することをあきらめず続けられる。交換レンズであれば、多少は操作が重くなっても最短撮影距離から無限までフォーカシングが可能で、絞りの開閉もできる状態を保てれば、ロバスト性が高いことになります。規定の使用条件を超えて、想像を超えるような過酷さを想定することが製品の信頼性を高めるのです。

050-2p

 お客様の想像を超えるような状況でのロバスト性を向上させるとともに、粒ぞろいの品質で等しく上質な製品を供給することで、お客様のハイエンド光学製品を求める気持ちにお応えしたいという思いが私たちコシナにはあります。幾度ものチェックを通過した製品は、最終段階で光学性能、絞りの動作、レンズの美観、外装の美観およびパッケージの各項目を責任者が確認し、テスト証明書にサインしています。新しい交換レンズを入手されたお客様ひとりひとりに向けて、自信を持って間違いのない品物をお届けする。そんな決意が肉筆の署名には込められているのです。

 

  copy