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 ハイエンド交換レンズの誕生までは、長い道のりがあります。設計仕様を満たすべく鏡筒の原材料である金属を調達し精密切削する。そこに指がかりとなるローレットや文字・記号を彫刻する。サンドブラストで表面の手触りを良くする。メッキやペイントで美しく丈夫に仕上げる。絞りなどの機構部品を組み込み、ピント調整操作の感触も追い込む。文字や記号に色入れする。かたやレンズの原材料である硝材を吟味し、カットして計量し、加熱して大まかな形をつくる。じっくりとアニール炉で休ませて歪みを除去し、研削し、さらに精密に磨き上げてからレンズの中心を見極める心取りを経て、真空蒸着装置でコーティングを施す。磨りガラス状の端面にスミ塗りをする。こうして鏡筒にレンズは組み込まれ、製品の姿になります。上の写真は、完成したレンズが梱包を待ちながら並んでいる様子です。

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 レンズキャップを取り付けた本体と一緒に通箱の中に入っているのは、外箱、製品を守る緩衝材、フードなどのアクセサリー、プライスタグ、使用説明書、保証書、テスト証明書などです。一人のお客様に届くパッケージを構成するすべての要素を、ひとつの通箱に収めて確認しています。この工程を、山のように積み上げた外箱や緩衝材に手を伸ばして流れ作業で梱包する方法にすれば短い時間で完了できるでしょう。ただし、万が一何かを入れ忘れてしまうリスクを考慮すると、より綿密に確認ができるこちらの方法を私たちコシナは採用すべきだと考えています。私たちにとっての万が一の失敗は、お客様にとって100%のミスであり、そのようなことを避けるための努力を惜しむことはありません。

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 パッケージングの現場では、手早く、かつ丁寧に作業が進んでいきます。通箱に入っているアイテムを確認し、収めるべき場所に、収めるべきものを入れる。説明書や保証書などの印刷物はしっかりと端を揃え、重ねる順番も決めています。もちろん裏表や上下などが無秩序にならないようにしています。心を込めて、レンズの身支度を整える。それは、パッケージを開いていただいた瞬間のお客様を想像し、その期待に応えるだけの製品であることを梱包からも伝えたいと思っているからです。これからお世話になる人に初めて会う前に、神妙な気持ちで衣服や姿勢を整える。そんな気持ちを込めて梱包しているのです。

 

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