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 所有することが誇らしく、操作することに歓びを感じられるようなハイエンド交換レンズの外装はプラスチックよりも金属が相応しい。その表面加工の方法として、伝統的に用いられてきたのがメッキ仕上げです。精密感を際立たせながら光り輝くクロームメッキや、金属でありながら温かみや懐かしさを感じさせるニッケルメッキの質感に心躍らせる方も多いのではないでしょうか。昨今メッキ仕上げされていない交換レンズが増えてきたのは、製品が金属外装ではない場合が多いことに加え、メッキをする工程で排出される排水処理のコストを製造者が嫌っていることも原因のひとつです。現実問題として、メッキ排水の無害化には大がかりな設備が必要です。上の写真は、コシナ信州中野ファクトリーにある専用設備内に設置されたメッキ排水の貯蔵タンクです。

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 メッキ加工には必ず水洗工程が存在します。このときにクロームやニッケルなどの金属を含んだ排水が発生します。昭和時代には、この排水を河川に垂れ流すなどして公害問題がクローズアップされました。現在では厳しく環境基準が規定されていますから、凝集分離という化学的な方法で金属成分を無害化して沈殿させ、約0.5メガパスカルもの大きな圧力でフィルタープレスすることで抽出して水を浄化します。除去された金属成分(スラッジ)は脱水処理されケーキ状になり、産業廃棄物として搬出処理されるのです。この工程は100%の歩留まりが求められます。万が一の失敗で環境汚染を招いてしまうことのないよう、細心の注意をはらって作業は続いています。処理設備内は整頓が行き届き、製造の現場と比べて更にきちんと清掃されています。

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 また、皆さまにお届けする製品の中に有害物質が微量でも含まれることを防止すべく、コシナの製造するハイエンド光学製品の材料に関してXRF検査装置による測定を実施しています。金属部品やねじ、光学ガラスから塗料に至るまで、製品を構成する要素すべてが検査の対象となります。この特殊な装置は、検査対象物質の成分元素と構成率を非破壊で測定できます。カドミウム、鉛、水銀、六価クローム、ポリ臭化ビフェニールなどの特定有害物質が含まれていないことを漏れなく確認し、すべての材料において安全性を確保してから製造を開始しています。製品の見た目や質感はもとより、私たちの暮らす環境も美しく。そんな願いを込めて、コシナではこれらの厳格な取り組みを日々継続しているのです。

 

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